涙の歌声
大陸を東西に分ける連山・ティナ。
その麓に王都を持つティナリール王国は、緩やかながらも確かな繁栄を続けていた。
ところが今から五年前、穏健派だった東の公爵が突如蜂起、凡そ三年がかりで王族を根絶やしにし、遂には王都も掌握する。

謀反による戦乱中も僻地で慎ましやかに暮していたウルゥの娘・ティアラ。
しかし、村医であった彼女の両親が軍医として連れられたまま王都は陥落。
実質上東陣営が政権を握ったことになるが、西側の悪政は一向に改善されず、彼女の二親も帰還しない。
これに痺れを切らした兄妹分・シンリックは、武器を片手に村を飛び出し行方知れずとなってしまった。

それから二年、戦火の痛手も漸く乗越えられようという時、謎の火の手にウルゥの村は灰にされ、ティアラは独り生き残る。
失意の中のティアラだが、村長の遺言を果たす為、またシンリックを捜す為、燃えた故郷を後にした。

旅する中で出会った伝説の妖精や力ツカイの青年。
シンリックに付き纏う東の不穏な陰に正体不明の『ナミダ』の存在。
不安は広まるばかりだが、それでもティアラは東へ進む。

――待っててシンリィ
私が見つけてみせるから――

小さな村娘が仲間を連れ、大切な人の消息を捜す物語が今、始まる。


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序章
第一章 農村の娘
第二章 怪奇の予兆 1 2
第三章 戦地の犠牲者 1 2
第四章 西の公爵街 1 2 3 4
第五章 力ツカイの青年 1 2 3
第六章 掃除屋 1 2 3 4 5 6 7 8
第七章 連山諸村とその事実
第八章 母殺しの烙印
第九章 窓辺に集いて誓いし者
第十章 夏に雨、華は雛罌粟
第十一章 霏霏として降る涙雨
第十二章 彼に映るは曼珠沙華


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